【新鮮野菜.net】の目指すもの

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新規就農者にも種類がある

農水省の統計を見ると、新規就農者と言われる人たちの中には
「雇用従事者」「農業後継者」「新規参入者」の3つがあります。

わたしたちが一般的に「新規就農者」と言われてイメージするのは、この3つめの「新規参入者」のことです。

ではその他の2つはどのような人たちなのでしょうか?

「雇用従事者」は、企業や農業法人などに雇用され農業を始める人たちのことです。
「農業後継者」はその名の通り農家の後継ぎのことです。
いずれも、すでにある基盤を利用し農業を始められる人たちです。

さて、「新規就農者」はこれらの人とは違い、自らの力で農地を借り、作物を栽培し、売り先を探して販売しなくてはなりません。

ここ数年で新規参入者を積極的に受け入れ、村の人口を増やしたり、有機の町として地域おこしにつなげたりしているところも増えてきました。
そういった場所で就農すれば、自分で売り先を探さなくても受け入れ先が販売してくれます。
最初からそういう場所を選択し、就農する人たちも多くいらっしゃいますが、全く何もないところで一からスタートする人たちもいます。

新規参入者の販売の基本

新規就農のためにはどれぐらい初期費用がかかるのでしょうか?

20年ほど前に聞いた話ですが、夫婦2人で一年間、無収入で食べていける金額を貯金をしなさいと言われていました。
当時でも、目安として1,000万円という数字が出ていました。実際にはこれほど貯金しないで、500万円程度で就農する人もいますし、貯金ゼロから就農したという強者もいます。
しかし、いずれにしてもタネをまいて収穫するのに時間がかかりますから、収穫までの数ヶ月は全く収入がないということになります。
その間は貯金を食いつぶすしかないのです。

さて、作物の収穫が始まったらどうでしょう?

地元のJAでは小口の取引をしてくれるところがあまりなく、JAはあまりあてになりません。

就農前から販売先が確保できるなんて例はまずなく、すぐに見つからないことが多いため、販売先を探しながら栽培しなくてはなりません。

JAの小口取引のイメージ画像

新規参入でいきなりトマトハウスを建ててしまう人も中にはいますが、基本的には露地栽培で少量のいろいろな野菜を作ってみたいという人が多く、最初は友人・知人・親戚などに野菜セットを販売することになります。

食べるものは自給できるとはいえ、現金収入がこれだけというのはけっこう厳しいことなのです。

売り先の確保が大問題

何人かの新規参入者にお話を聞いていると、最初の2〜3年は売り先がなかなか見つからないと言う人が多く、3年ほどするといろんなところから声がかかるようになるとも聞きます。
例えば、地元のレストランやカフェ、また大手流通や自然食品店などから「野菜を取り扱いたい」と言われる人もいるようです。

しかしやはり、問題なのは最初の3年間。

この間に野菜の販売先をうまく確保して収入をきちんと得ること、そしてそれを次につなげられることが必要なのです。

中にはせっかく意欲があって就農したのに、辞めざるを得なくなってしまう人もいるのですから。

売り先のないのは新規参入者だけではない

例えば、有機農業に取り組み始めた農家や、減農薬栽培にチャレンジする農家、これらの農家も現在の日本では売り先に困る構造になっています。

地域の防除暦通りに農薬を散布していない農家のものは、農薬取締法や食品衛生法上のリスクが高いと判断されるのか、JAも取り扱いに困るようです。

消費者から見ると優位性のある付加価値商品のようですが、一般的には違うのですね。
農薬と化学肥料に頼った従来の農業から逸脱したものは売れないということなのかもしれません。

したがって、「安全なものを作りたい」という思いで農薬を減らし、リスクの高い農業を選択した農家も、しばらくの間は売り先に困ることになります。
そういう付加価値商品を販売している流通とつながるまで、新規参入者同様自ら売り先を探さなくてはなりません。

ある意味、日本の農業界は「人と違うことをする農家」に冷たいとも言えます。

【新鮮野菜.net】を作った理由

【新鮮野菜.net】では、思いを持って農業を始めた人たち、また、積極的に減農薬や有機栽培に取り組んでいる人たちを応援したいと考えています。

支援が目的のため、手数料や登録料はいただいていません。
売上の全てを農家のものになることが前提と考えているからです。

一般的に小売は、農家の庭先価格に、手数料・粗利等を上乗せして販売しています。
農家からJAに出荷して、大卸・仲卸・小売と段階を踏むごとに某かの価格が上乗せされていますから、店先での価格が150円だとすると、農家の手取りはダンボール代等を含めて70〜80円くらいでしょうか。
作物と相場にもよりますが、もっともっと少ない可能性もあります。

卸売、小売と段階を踏むごとの上乗せ価格のイメージ画像

もし150円全てが農家の手取りになったとしたら?
そして、相場に左右されない金額だったとしたら?

これが産地直送という販売形態のメリットです。

産地直送のイメージ画像

商品の売価は農家ごとに再生産可能な価格、つまり、自分が農業を続けていけるだけの価格がついています。しかし、登録料を要求するポータルサイトに掲載した場合は、登録料分手取り金額が少なくなります。

ポータルサイトのいいところは、他者との価格が比較しやすいところでもありますが、誰かが安価な金額を提示していると、それに引っ張られて売価を下げざるを得なくなり、結果的に手取り金額が減ることになります。

そういうことのないよう、登録料や手数料は一切いただかず、売上は全て農家のものとしています。

それが【新鮮野菜.net】の大前提なのです。

日本の農業を支えるために

昨今、雑誌等で「強い農業」が話題になることが多くなってきました。こういう特集に登場する個人農家は実はほんの一部です。

「安心できる野菜、または個性的な野菜を作れば売れる。発想の転換が必要」と雑誌にしょっちゅう登場する人の陰には、何百人もの売り先に困っている農家がいることを忘れてはいけません。
そういう人たちは声を上げることもなく、誰も知らない間に離農している可能性もあるのです。

国の政策では、農業の企業化・大規模化が行われています。
大量に、そして安価に食物を生産するという意味では優れた政策でしょう。
しかしこのような効率化を図った場合、必ず画一的な栽培方法が前提になります。

それは農薬や化学肥料を使う農業です。

「おいしいもの」「安心して食べられるもの」よりも「安価なこと」が優先されるとしたら、品質が上がるわけではなくただ価格が下がるだけです。

わたしたちはそういう野菜を求めているのでしょうか?

安心して食べられるおいしい野菜を求めているのではないのでしょうか?

そして、【新鮮野菜.net】は、「おいしいもの」「安心して食べられるもの」野菜や作物を作る農家を応援したいと考えているのです。

個性豊かな個人の野菜を売っていきます

現在の野菜流通は、画一的な農法で栽培されたものを前提に組まれています。

JAに集約され市場に動くという、日本中にめぐらされた物流網は大変素晴らしいのですが、そこから外れるものの物流はかなり困難で、独自の物流網を組もうとすると大変なコスト増になります。物流コストはどの流通も頭を悩ましている、そして独自の流通を阻む大きな問題なのです。

JA出荷という物流網に乗らない小規模栽培の個人農家、新規就農者、有機農家の作物は、現在のシステムから取りこぼされていると言ってもいいでしょう。

わたしたちは、これらの個人農家、有機農家の経営がきちんと成り立つことが必要だと考えています。

日本の農業を支えているのは小規模な個人農家です。

これからの農業の未来を支えるのは、まだ若く、これから何十年も農業を続けていく新規就農者なのです。

【新鮮野菜.net】は日本の農業の未来を支えるこれらの人を応援します。

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